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相続登記の義務化

2024年4月1日から相続登記の申請は義務です。取得を知った日から3年以内、施行前の相続は2027年3月31日まで。

相続登記の手続きと期限だけを扱います。売却までの全体像は 相続した実家を売る流れ をご覧ください。

2024年(令和6年)4月1日から、相続登記の申請は義務になりました。不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請しないと、正当な理由がないかぎり10万円以下の過料の対象になります。

施行日より前に発生した相続で未登記のものも対象です。この場合の期限は2027年(令和9年)3月31日(施行日以後に取得を知った場合はその日から3年)。

遺産分割がまとまらないときのために相続人申告登記という簡易な制度がありますが、これだけでは不動産を売れません。

1. なぜ義務化されたのか

国土交通省の調査によると、平成28年度の地籍調査(対象62万2,608筆)で、登記簿だけでは所在が判明しなかった土地は12万5,059筆。その原因の内訳は次のとおりでした。

原因割合
相続による所有権移転登記の未了8万3,371筆 66.7%
住所変更登記の未了4万0,496筆 32.4%
売買・交換等による未登記1,192筆 1.0%

所有者不明土地の3分の2は、相続登記をしなかったことが原因です。全国の所有者不明率は約2〜3割、面積換算で約410万haと推計されています。

放置された結果、公共事業も、隣地の売買も、災害復旧も止まる。だから義務化された、という流れです。

出典:国土交通省「所有者不明土地問題について」

2. 期限のまとめ

ケース期限
2024年4月1日以後に相続が発生所有権の取得を知った日から3年以内
2024年4月1日より前に相続が発生(未登記)2027年(令和9年)3月31日まで
施行日以後に取得を知った場合知った日から3年以内
遺産分割が3年以内に成立した場合分割の日から3年以内に、その内容に沿った登記

正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります。

出典:法務省「相続登記の申請義務化について」同「Q&A」

相続が発生したいつ?2024年4月1日以後取得を知った日から3年以内2024年4月1日より前2027年3月31日まで申請しないと10万円以下の過料遺産分割がまとまらない → 相続人申告登記で義務は果たせる単独で申出でき、戸籍一式も登録免許税も不要★売却はできない別途、通常の相続登記が要る
相続登記の期限は相続の時期で分かれる。相続人申告登記は義務を果たせるが、それだけでは売却できない。

3. 遺産分割がまとまらないとき — 相続人申告登記

期限までに話がまとまらないこともあります。そのための簡易な制度が相続人申告登記です。

できること

  • 登記上の所有者の相続人であることを法務局に申し出ると、登記官が職権で氏名・住所を付記する
  • その相続人については、申請義務を果たしたことになる
  • 単独で申し出できる(他の相続人の協力が要らない)
  • 戸籍一式の収集が不要
  • 登録免許税がかからない

できないこと(重要)
法務省ははっきり書いています。相続人申告登記は「不動産についての権利関係を公示するものではない」ため、「相続した不動産を売却したり、抵当権の設定をしたりするような場合には、別途、相続登記の申請をする必要がある」。

売るつもりがあるなら、相続人申告登記では足りません。通常の相続登記が必要です。

出典:法務省「相続人申告登記について」

4. 登録免許税

相続登記の登録免許税は固定資産税評価額の0.4%です。

免税措置が2つあります(いずれも令和9年(2027年)3月31日までの登記)。

  • 相続人が登記をしないまま亡くなった場合の、その人への相続登記
  • 不動産の価額が100万円以下の土地

山林や田畑を一緒に相続したときに効いてきます。実家の敷地だけでなく、登記されていない小さな土地が残っていないかを確認してください。

出典:法務局「相続登記の登録免許税の免税措置について」

5. 手続きの流れ

  1. 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集め、相続人を確定する
  2. 不動産を特定する(固定資産税の納税通知書、名寄帳、登記事項証明書)
  3. 遺産分割協議(遺言がある場合はその内容に従う)
  4. 法務局に申請(不動産の所在地を管轄する法務局)
  5. 登録免許税を納付

登記は司法書士の業務です。ご自身で申請することもできますが、相続人が多い場合や不動産が複数の管轄にまたがる場合は、専門家に依頼するほうが確実です。

6. 売却を考えているなら、順番はこうなります

相続登記 → 査定 → 媒介契約 → 売却

査定そのものは相続登記の前でもできます。むしろ先に金額を知っておいたほうが、遺産分割の話し合いが進みます。「いくらになるか分からない」ことが、兄弟間で結論が出ない最大の原因です。

イエクラベのAI査定は匿名で、連絡先の入力も不要です。 → 相続した実家を売る流れ

当社は宅地建物取引業者ではなく、司法書士事務所でもありません。登記の手続きは司法書士に、相続に関する法律の判断は弁護士にご相談ください。売買の媒介または代理は、当社の提携する宅地建物取引業者が行います。

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よくあるご質問

Q何年も前に相続した実家も対象ですか?
A

対象です。2024年4月1日より前に発生した相続で未登記のものは、2027年(令和9年)3月31日までに申請する必要があります。

Q過料は必ず科されますか?
A

「正当な理由がないのに」申請を怠った場合が対象です。正当な理由の考え方については法務省がQ&Aを公表しています。判断に迷う場合は法務局にご相談ください。

Q相続人申告登記をすれば、それで終わりですか?
A

申請義務は果たしたことになりますが、権利関係を公示するものではないため、売却や抵当権の設定には別途、通常の相続登記が必要です。

Q登記費用はいくらかかりますか?
A

登録免許税は固定資産税評価額の0.4%です。100万円以下の土地は令和9年3月31日までの登記であれば免税になります。これとは別に司法書士に依頼する場合の報酬がかかりますが、統一の料金表はありません。

仲介で売った場合と、買取に出した場合。手数料を引いた手取りまで並べて確認できます。

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