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市街化調整区域の家は売れる?相場と売るときの注意点

建替えや住宅ローンに制約があるため、市街化区域より安く、買い手も限られます。それでも売れます。

公開 2026年10月21日

市街化調整区域の家は売れます。ただし、市街化区域の同じような家より安くなり、買い手も限られます。愛知・三重・岐阜の実際の取引では、調整区域の戸建ての中央価格は、市街化区域(用途地域内)の約0.7倍でした。

安くなる主な理由は、新築・建替えに許可が必要になる場合があること、住宅ローンが付きにくいことがあること、買い手の層が絞られることです。この記事では、実取引の数字、建替えや既存宅地の考え方、売る前に確かめることを、順に整理します。

1. 市街化調整区域とは

都市計画法は、都市計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」に分けることができると定めています(同法第7条)。市街化区域は、すでに市街地を形成している区域や、おおむね10年以内に優先的に市街化を進める区域です。市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域です。

市街化調整区域では、建築物の新築・改築・用途変更をするときに、原則として都道府県知事等の許可が必要です(同法第43条など)。農地や山林が多く、インフラも市街化区域ほど整っていません。愛知・三重・岐阜のどこに調整区域があるかは市街化調整区域とはで整理しています。

2. 相場は市街化区域の約0.7倍。実取引の数字

国土交通省の不動産情報ライブラリ(取引価格情報)をもとに、イエクラベが市区町村ごとに集計しました。対象は直近3年(2023年第3四半期〜2026年第3四半期)の「宅地(土地と建物)」の取引で、調整区域と用途地域内の戸建てがそれぞれ15件以上ある40市区町村です。

区分調整区域 ÷ 用途地域内の中央価格市区町村の幅(四分位)
戸建て(土地と建物)約0.69倍0.52〜0.83倍
土地のみ(50市区町村)約0.53倍0.37〜0.62倍

1㎡あたりの単価で比べると差はもっと大きく、戸建ては約0.37倍、土地のみは約0.30倍です。調整区域の土地は広めで、1戸あたりの価格では差が縮むためです。

件数の多い市区町村を並べると、次のようになります。

市区町村調整区域の戸建て調整区域の中央価格用途地域内の中央価格比
一宮市178件1,850万円2,851万円0.65倍
豊田市152件3,350万円3,624万円0.92倍
稲沢市117件1,800万円2,960万円0.61倍
津市107件1,400万円1,741万円0.80倍
豊橋市98件1,450万円2,598万円0.56倍
松阪市92件560万円1,230万円0.46倍
江南市79件2,200万円2,813万円0.78倍
安城市67件3,700万円3,939万円0.94倍
愛西市67件1,400万円1,706万円0.82倍
春日井市55件2,600万円3,254万円0.80倍
西尾市54件1,500万円2,511万円0.60倍
鈴鹿市53件840万円1,885万円0.45倍
岐阜市44件540万円2,001万円0.27倍
岡崎市43件2,400万円3,376万円0.71倍

用途地域内の価格は、各用途地域の中央価格を取引件数で加重平均した概算です。築年・面積・立地をそろえた比較ではないため、個別の物件の価格は、同じ区域の近くの取引を見ないと分かりません。

豊田市や安城市のように市街化区域と近い水準の市もあれば、松阪市・鈴鹿市・岐阜市のように半分以下の市もあります。調整区域の中でも、集落の中か、農地の中の一軒家かで、価格は変わります。

3. 建替えは「許可が必要になる」

市街化調整区域の物件を買った人が、建物を建て替えるときも、許可が必要になる場合があります。適法に建てられた既存の住宅の建替えは、市区町村が定める基準(敷地・規模・用途が従前と同程度であることなど)に当てはまれば認められる運用が一般的ですが、基準は自治体ごとに違います。

注意したいのは、許可の内容によっては、特定の人(農家の分家など)に限って認められる「属人性」のあるものがあることです。そうした物件を第三者が買っても、同じ用途で使えない場合があります。

売る前に、市区町村の都市計画課(または建築指導課)で、いまの建物がどの許可で建てられたか、買主が建替えるときの条件は何かを確認してください。この確認の有無で、買い手の安心感も、売れる価格も変わります。

4. 「既存宅地」は今は使えない

「既存宅地」は、調整区域内でも、市街化区域に近い集落などで建築を認めていた旧制度の区分です。2001年(平成13年)5月の都市計画法の改正で廃止され、5年間の経過措置も終わりました。

古い資料や登記・売買契約書に「既存宅地」と書かれていても、今の売買では、その事実だけで建築できるとは限りません。現在の許可基準で建てられるかを、市区町村に確認します。

5. 住宅ローンと買い手

調整区域の物件は、金融機関によって、担保評価を低くする、融資の対象外にする、といった扱いになることがあります。買主が住宅ローンを使えないと、現金で買える人や、投資・事業用の買主に絞られ、売るまでの時間が長くなりやすくなります。

売り出す前に、仲介会社に、買主が使えそうな金融機関の条件を聞いてもらうと、売れ残りを避けやすくなります。

6. 売る前に確かめる4点

  • 適法に建てられた建物か:建築確認済証・検査済証があるか。ないと、買主の建替えや融資に影響します。
  • 建替えの条件:市区町村の窓口で、買主が建て替えるときの条件を確認する(§3)。
  • 接道と境界:道路に2m以上接しているか。接していないと別の問題(再建築不可物件)になります。境界が未確定なら境界確定も必要です。
  • 建物を残すか、解体するか:古い家は解体して売るべきかを、費用と価格の両方で比べます。

7. 仲介と買取、どちらで売るか

調整区域の物件は、仲介で買主を探すと時間がかかることがあります。早く手放したいときは、買取業者に直接売る方法もあります。買取は、仲介より価格が低くなりやすい売り方です。手取りがどこで逆転するかは仲介と買取の違いで計算できます。

8. イエクラベでできること

イエクラベのAI査定は、仲介で売った場合と買取に出した場合の金額を同時に出します。対象の物件が市街化調整区域のときは、近くの同じ区域(調整区域)の取引を中心に比べます。調整区域かどうかは、住所から自動で判定します。

当社は宅地建物取引業者ではありません。売買の媒介または代理は、当社の提携する宅地建物取引業者が行います。AI査定の結果は公開データにもとづく概算であり、売買価格を保証するものではありません。

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よくあるご質問

Q市街化調整区域の家は売れますか?
A

売れます。市街化調整区域は市街化を抑える区域で、建替えには許可が必要になる場合があり、住宅ローンも付きにくいことがあるため、市街化区域より価格は下がり買い手も限られます。それでも、実際に取引は成立しています。愛知・三重・岐阜の直近3年では、調査した市区町村だけでも調整区域の戸建て1,926件が成約しています。

Q市街化調整区域の家は、市街化区域の何割で売れますか?
A

愛知・三重・岐阜の実取引(直近3年、調整区域と用途地域内の戸建てが各15件以上ある40市区町村)では、調整区域の戸建ての中央価格は用途地域内の中央値の約0.69倍でした。市区町村によって0.5〜0.8倍程度の幅があります(四分位範囲0.52〜0.83倍)。土地のみの取引では約0.53倍です。個別の物件は築年・面積・立地で大きく変わります。

Q市街化調整区域の家を買った人は、建て替えられますか?
A

自動的には建て替えられません。市街化調整区域では、建物の新築・建替えに都市計画法の許可が必要になる場合があります。適法に建てられた既存の住宅の建替えは、市区町村が定める基準に当てはまれば認められる運用が一般的ですが、基準は自治体ごとに違います。売る前に、市区町村の都市計画課または建築指導課で確認してください。

Q「既存宅地」とは何ですか?今も使えますか?
A

既存宅地は、市街化調整区域の中でも、市街化区域に近い集落などで建築を認めていた旧制度の区分です。2001年(平成13年)5月の都市計画法の改正で廃止され、5年間の経過措置も終わっています。今の売買では、「既存宅地だった」という事実だけで建築できるとは限らないため、現在の許可基準で確認します。

Q市街化調整区域の家に住宅ローンは使えますか?
A

金融機関によって違います。調整区域の物件は、担保評価が低くなる、融資の対象外とする、といった扱いになることがあります。買主の資金計画に影響するので、売り出す前に、買主が使えそうな金融機関の条件を仲介会社に確認してもらうと、売れ残りを避けやすくなります。

出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ(取引価格情報)をもとにイエクラベが集計(2023年第3四半期〜2026年第3四半期)/e-Gov法令検索「都市計画法」第7条・第43条

調整区域でも、仲介と買取の2つの価格を先に確かめられます。

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