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売却時の固定資産税の精算。日割りの計算と税務上の扱い

1月1日の所有者に1年分。引渡し日からの分を買主が日割りで負担するのが精算です。

公開 2026年10月18日

固定資産税と都市計画税は、その年の1月1日時点で登記簿に所有者として登記されている人に、1年分が課税されます(地方税法第343条・第359条)。年の途中で売っても、市区町村から見た納税義務者は売主のままです。

そこで売買では、引渡し日以降の分を買主が日割りで負担する「精算」を行うのが慣習です。精算金は税金ではなく売買代金の一部で、税務上は売主の譲渡価額に算入されます(国税庁 No.1440)。

1. なぜ精算が必要か。課税の仕組み

地方税法第359条:「固定資産税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする。」 同法第343条第1項は、固定資産税を「固定資産の所有者」に課すると定め、第2項で土地・家屋の所有者とは「登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者」として登記・登録されている人だとしています(e-Gov法令検索「地方税法」)。

つまり、3月に売って登記を移しても、その年の納税通知書は売主に届き、売主が1年分を納めます。買主は翌年の1月1日から納税義務者になります。法律には「買主が途中から払う」仕組みがないため、当事者間で分担を決める精算が生まれました。

※精算は法律上の義務ではなく、売買契約の合意です。精算しない契約も有効ですが、実務ではほぼ必ず契約書に精算条項が入ります。

2. 起算日は1月1日か4月1日か

日割りの起算日には、1月1日とする方法と4月1日とする方法があります。固定資産税は「年」単位で課税される一方、納付は「年度」(4月〜翌3月)で行われるため、2つの考え方が生まれました。どちらが正しいという決まりはなく、地域の慣習と契約書の定めによります。

起算日売主の負担買主の負担主に使われる地域
1月1日1月1日〜引渡し日の前日引渡し日〜12月31日関東など
4月1日4月1日〜引渡し日の前日引渡し日〜翌年3月31日関西など

表の地域区分は実務上の傾向で、公的な定めがあるわけではありません。東海地方では両方の例があります。契約書の「公租公課の分担」条項で起算日を確かめてください。起算日が違うと、同じ引渡し日でも買主の負担額が3か月分変わります。

3. 計算例

例:固定資産税・都市計画税の年額12万円、引渡し日 7月1日、起算日 1月1日

  • 買主の負担日数:7月1日〜12月31日 = 184日
  • 買主の負担額:12万円 × 184日 ÷ 365日 = 60,493円(1円未満の扱いは契約による)
  • 売主は1年分12万円を市区町村に納め、決済時に買主から60,493円を受け取る

同じ条件で起算日が4月1日の場合

  • 買主の負担日数:7月1日〜翌年3月31日 = 274日
  • 買主の負担額:12万円 × 274日 ÷ 365日 = 90,082円
項目起算日1月1日起算日4月1日
買主の負担日数184日274日
買主の負担額60,493円90,082円
差—29,589円

年額は、その年の納税通知書(課税明細書)で確かめます。4月〜5月の引渡しで通知書がまだ届いていないときは、前年の額で仮精算し、通知書が届いたら差額を調整する、または前年額で確定させる、のどちらかを契約書で決めておきます。

4. 税務上の扱い。精算金は「売った金額」に入る

売主が受け取った精算金は、税金の立替ではなく売買代金の一部として扱われます。国税庁は、譲渡代金のほかに譲渡から年末までの期間に対応する固定資産税・都市計画税の相当額を受け取った場合、その額は「譲渡価額に算入されます」としています(国税庁 No.1440)。

立場精算金の扱い
売主譲渡所得の計算で「収入金額」に含める。納めた固定資産税は譲渡費用にならない
買主不動産の取得価額に含める(将来売るときの取得費)

売主が納めた固定資産税そのものは、維持・管理の費用なので譲渡費用には入りません(国税庁 No.3255)。確定申告のときは、売買契約書の代金に精算金を足した額を「売った金額」として内訳書に書きます。詳しくは不動産売却の確定申告。

なお、精算金の受け渡しに消費税はかかりません。個人が自宅を売る取引はそもそも消費税の課税対象外です(不動産売却と消費税)。

5. イエクラベでできること

売却のタイミングで精算額は変わりますが、額を大きく左右するのは引渡し日ではなく売却価格です。イエクラベのAI査定は、仲介と買取の2通りの価格を同時に出すので、精算を含めた手取りの見当をつけやすくなります。

当社は宅地建物取引業者ではありません。売買の媒介または代理は、当社の提携する宅地建物取引業者が行います。AI査定の結果は公開データにもとづく概算であり、売買価格を保証するものではありません。

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よくあるご質問

Q年の途中で売ったら、固定資産税は誰が払いますか?
A

市区町村への納税義務者は、その年の1月1日時点の登記簿上の所有者である売主です(地方税法第343条・第359条)。買主との間では、引渡し日以降の分を買主が日割りで負担する精算を行うのが慣習です。

Q起算日は1月1日と4月1日のどちらですか?
A

法律の定めはなく、地域の慣習と契約書の定めによります。関東では1月1日、関西では4月1日が多いとされますが、東海地方では両方の例があります。契約書の公租公課の分担条項を確認してください。

Q受け取った精算金に税金はかかりますか?
A

精算金は売買代金の一部として、譲渡所得の計算で収入金額に含めます(国税庁 No.1440)。売主が納めた固定資産税は譲渡費用にはなりません。

Q納税通知書がまだ届いていない時期の引渡しは?
A

前年の額で仮精算して通知書が届いてから差額を調整する方法と、前年額で確定させる方法があります。どちらにするかを契約書で決めておきます。

出典:e-Gov法令検索「地方税法」(昭和二十五年法律第二百二十六号)第343条・第359条/国税庁 タックスアンサー No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)/国税庁 タックスアンサー No.3255 譲渡費用となるもの

精算を含めた手取りは、売却価格で決まります。仲介と買取、2つの価格を先に確かめられます。

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