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売ったときの税金

不動産を売って利益が出ると譲渡所得税がかかります。長期20.315%・短期39.63%で、判定は売った年の1月1日時点。

公開 2026年8月25日/最終更新 2026年9月3日

税金の全体像です。マイホームの控除は 3,000万円の特別控除、相続した実家は 相続空き家の3,000万円控除 をご覧ください。

譲渡所得税がかかるのは、売って利益が出たときだけです。計算式は、売った金額 −(取得費 + 譲渡費用)。

税率は、売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば20.315%、5年以下なら39.63%。判定するのは引渡し日ではなく1月1日。年をまたぐと税率が変わることがあります。

自分が住んでいた家なら3,000万円の特別控除が使えます。多くのケースで税金は出ません。

1. 計算のしかた

課税譲渡所得 = 売った金額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除

  • 取得費 — 買ったときの価格+購入時の諸費用。建物は減価償却して差し引きます
  • 譲渡費用 — 仲介手数料、印紙税、測量費、解体費など、売るために直接かかった費用
  • 特別控除 — 3,000万円の特別控除など
売った金額 2,000万円①②取得費 100万円 + 譲渡費用 80万円譲渡所得 1,820万円③特別控除 1,820万円(3,000万円の枠内)④課税譲渡所得 0円 → 税額 0円控除がなければ 1,820万円 × 20.315% = 約369万円★取得費が分からない実家では「売った金額の5%」とみなされる(概算取得費)。控除が使えるかどうかで結果が大きく変わる。
譲渡所得は「売った金額 −(取得費+譲渡費用)」。特別控除が使えるかどうかで、同じ売却でも税額が約369万円変わる。

取得費が分からないときは、売った金額の5%を取得費とみなせます(概算取得費)。実際の取得費が5%より少ない場合も同じ扱いです。

親が何十年も前に買った家では、この概算取得費が使われがちです。売り主にとっては不利に働きます。契約書や領収書は、片づけの前に探してください。

出典:国税庁「譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」(No.3202)/同「取得費が分からないとき」(No.3258)

2. 税率 — 1月1日で判定する

区分所有期間(売った年の1月1日時点)所得税+復興特別所得税住民税合計
長期譲渡所得5年超15.315%5%20.315%
短期譲渡所得5年以下30.63%9%39.63%
2021202220232024202520262027取得譲渡2026年1月1日時点 → 所有 4年7か月= 短期 39.63%2027年1月1日時点 → 所有 5年7か月= 長期 20.315%★判定は引渡し日ではなく「売った年の1月1日」。半年ずらすだけで税率がほぼ半分になることがある。
長期と短期の判定は引渡し日ではなく「売った年の1月1日」の時点で行う。年をまたぐと税率が変わる。

見落とされやすいのが、1月1日時点という基準日です。2021年6月に買った家を2026年6月に売ると、2026年1月1日時点の所有期間は4年7か月。短期扱いになります。2027年に入ってから売れば長期。税率はほぼ半分です。

復興特別所得税は2013年から2037年まで、所得税額に2.1%を上乗せするものです。

出典:国税庁「長期譲渡所得の税額の計算」(No.3208)/同「短期譲渡所得の税額の計算」(No.3211)

3. 使える特例の一覧

特例誰が使うか期限
居住用財産の3,000万円特別控除自分が住んでいた家を売る人住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
10年超所有の軽減税率上の控除を使ってもなお利益が残る人所有期間10年超(1月1日時点)
被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円控除相続した実家を売る人令和9年(2027年)12月31日まで
取得費加算相続税を納めた人相続開始から約3年10か月以内
譲渡損失の損益通算・繰越控除売って損が出た人★下記の注意

マイホームの3,000万円控除は → 3,000万円の特別控除
相続した実家の控除は → 相続空き家の3,000万円控除

4. 10年超なら、さらに軽減税率

売った年の1月1日で所有期間が10年を超えるマイホームは、3,000万円控除を引いたあとの部分に、さらに低い税率が使えます。

課税長期譲渡所得所得税+復興特別所得税住民税合計
6,000万円以下の部分10.21%4%14.21%
6,000万円超の部分15.315%5%20.315%

3,000万円控除と併用できます。長く住んだ家を売って実際に税額が残るのは、まれなケースです。

出典:国税庁「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」(No.3305)

5. 損が出たとき

売って損が出た場合、給与所得などと損益通算し、控除しきれない分を翌年以後3年間繰り越せる特例があります。住宅ローンが残っている場合の要件は → 住宅ローンが残っている家を売る方法

★適用期限についての注意
国税庁のタックスアンサー(No.3390・No.3370)は2026年9月時点でも「令和7年4月1日現在法令等」版のままで、「令和7年12月31日まで」と表示されています。令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月26日閣議決定)にはこの特例の適用期限を2年延長することが明記され、改正法(所得税法等の一部を改正する法律)は令和8年3月31日に成立・同日公布されました。延長後は令和9年(2027年)12月31日までの譲渡が対象になる計算です(大綱の「2年延長」から導いた値で、国税庁のページには未記載)。使う予定がある方は、最新の国税庁の記載か税務署でご確認ください。

出典:国税庁「住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき」(No.3390)/財務省「令和8年度税制改正の大綱」

6. 売却にかかる他の税金

税金額
印紙税(売買契約書)軽減後:1,000万円超5,000万円以下 1万円/5,000万円超1億円以下 3万円(令和9年3月31日までに作成する契約書)
登録免許税(抵当権抹消)不動産1個につき1,000円
固定資産税・都市計画税その年1月1日の所有者に課税。引渡し日で日割り精算するのが一般的(法律上の義務ではなく慣行)

費用の全体像は → 売却にかかる費用の一覧

出典:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」(No.7108)/法務省民事局「抵当権を抹消するための登記申請手続について」

7. 確定申告

申告するのは売った翌年です。令和7年分の受付期間は令和8年2月16日〜3月16日でした。

譲渡益が出ていなくても、3,000万円の特別控除や譲渡損失の特例を使うなら申告は必要です。税金が出ないなら申告も要らない、という順序にはなりません。控除を使った結果として税額がゼロになる、という順序です。

出典:国税庁「確定申告の手引き」

8. 税額は、売却価格が決まらないと計算できません

まず、仲介と買取でいくらになるかを見てください。

この記事は一般的な制度の説明です。当社は税理士事務所ではありません。ご自身のケースで適用できるかどうかは、必ず税務署または税理士にご確認ください。当社は宅地建物取引業者でもなく、売買の媒介または代理は提携する宅地建物取引業者が行います。

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よくあるご質問

Q売ったら必ず税金がかかりますか?
A

利益が出たときだけです。売った金額から取得費と譲渡費用を引いてマイナスなら、かかりません。自分が住んでいた家には3,000万円の特別控除もあるため、税金が出ないケースは多くあります。

Q所有期間の5年は、いつからいつまでで数えますか?
A

取得の日から、売った年の1月1日までです。引渡し日までではありません。2021年6月取得の物件を2026年6月に売っても、2026年1月1日時点では5年未満なので短期(39.63%)になります。

Q取得費が分からない実家はどうなりますか?
A

売った金額の5%を取得費とみなす扱いがあります。2,000万円で売れば取得費は100万円。譲渡所得はほとんど圧縮されません。空き家の3,000万円控除が使えるかどうかで結果が変わるので、期限(令和9年12月31日)を先に確認してください。

Q住民税はいつ払いますか?
A

譲渡した年の翌年に確定申告を行い、住民税はその翌年度に課税されます。納付の時期は所得税とずれます。資金の手当てにご注意ください。

仲介で売った場合と、買取に出した場合。手数料を引いた手取りまで並べて確認できます。

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