不動産を売るとかかる費用を、金額の上限が公的に決まっているものと決まっていないものに分けて一覧にしました。
費用の全体像です。仲介手数料の計算方法だけを知りたい方は 仲介手数料の上限と計算、税金は 売ったときの税金 をご覧ください。
売却の費用は、金額の上限が公的に決まっているもの(仲介手数料・印紙税・登録免許税)と、決まっていないもの(司法書士報酬・測量・解体・クリーニング)に分かれます。
前者は先に計算できます。2,000万円で売るなら、仲介手数料72.6万円+印紙税1万円+抵当権抹消の登録免許税2,000円で、およそ73.8万円。
ここに譲渡所得税が加わるかどうかで手取りは大きく変わりますが、自分が住んでいた家なら3,000万円の特別控除があり、税金が出ないケースは多くあります。
| 費用 | 上限 | かかる場面 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 公的に決まっている(告示) | 仲介で売ったとき。買取ならかからない |
| 印紙税 | 公的に決まっている(軽減措置) | 売買契約書を作るとき |
| 登録免許税(抵当権抹消) | 公的に決まっている | 住宅ローンが残っているとき |
| 司法書士報酬 | 決まっていない | 登記を依頼するとき |
| 境界確定測量 | 決まっていない | 土地の範囲があいまいなとき |
| 建物の解体 | 決まっていない | 更地で売るとき |
| ハウスクリーニング・残置物処分 | 決まっていない | 内覧に出すとき |
| 譲渡所得税・住民税 | 税率が決まっている | 利益が出たとき |
宅地建物取引業者が受け取れる報酬の上限は、昭和45年建設省告示第1552号で決まっています。400万円を超える物件では、結果として「売買価格 × 3.3% + 6.6万円(税込)」と同じ額になります。
| 売買価格 | 上限(税込) |
|---|---|
| 500万円 | 23.1万円 |
| 1,000万円 | 39.6万円 |
| 2,000万円 | 72.6万円 |
| 3,000万円 | 105.6万円 |
2024年(令和6年)7月1日から、800万円以下の空き家等については上限が30万円(税抜・税込33万円)に広がりました。計算方法も含めて → 仲介手数料の上限と計算
出典:国土交通省「昭和45年建設省告示第1552号」(令和6年7月1日施行)
売買契約書に貼ります。平成26年4月1日から令和9年(2027年)3月31日までに作成される契約書には軽減措置が適用されます。
| 記載金額 | 軽減後 |
|---|---|
| 100万円超 500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超 1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超 5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超 1億円以下 | 3万円 |
出典:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」(No.7108)
住宅ローンを完済しても、抵当権の登記は自動では消えません。別に申請が必要です。
登録免許税は不動産1個につき1,000円(対象が20個以上のときは申請1件につき2万円)。土地1筆+建物1棟なら2,000円です。
段取りは → 住宅ローンが残っている家を売る方法
ここからは公的な相場表が存在しません。見積もりを取って比べるしかありません。
「相場は◯万円」という記事を見たら、出典を確かめてください。この3つについて、国が示した数字はありません。
いっぽう、解体については自治体の補助金が用意されていることがあります。国土交通省の空家等対策総合支援事業を使って、市町村が独自に要綱を決めています。「(市町村名) 空き家 解体 補助金」で確認する価値があります。
三重県で相続した戸建てを2,000万円で仲介成約したと仮定します。住宅ローンは完済済み。
| 金額 | |
|---|---|
| 売買価格 | 2,000万円 |
| 仲介手数料(上限) | −72.6万円 |
| 印紙税(軽減後) | −1万円 |
| 抵当権抹消の登録免許税(土地1・建物1) | −2,000円 |
| 上限が決まっている費用の小計 | −73.8万円 |
| 手取りの目安 | 約1,926万円 |
同じ物件の買取価格が1,930万円なら、仲介手数料がかからないので手取りは約1,928.8万円。
査定額は70万円低いのに、手取りは買取のほうが多くなります。 → 仲介と買取の違い
見落とされがちですが、これも費用です。
三重県で成約した戸建ての平均築年数は34.78年、岐阜県は32.67年です(2026年7月・中部圏不動産流通機構)。築古の家は買主が限られるぶん、この費用が積み上がりやすくなります。
さらに、空き家を放置して市町村から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が外れます。 → 空き家の固定資産税
譲渡所得税の計算、3,000万円の特別控除、10年超の軽減税率については → 売ったときの税金
当社は宅地建物取引業者ではありません。売買の媒介または代理は、当社の提携する宅地建物取引業者が行います。税額の判断は税務署または税理士に、登記は司法書士にご確認ください。
Q売却にかかる費用は、全部でいくらくらいですか?
上限が決まっている費用(仲介手数料・印紙税・抵当権抹消の登録免許税)は先に計算できます。2,000万円で売るなら約73.8万円です。これに司法書士報酬と、必要なら測量・解体・クリーニングが加わります。後者には公的な相場表がありません。
Q費用は売買代金から差し引かれますか?
仲介手数料は契約時と決済時に分けて支払うのが一般的で、決済当日に代金から精算する形をとることもあります。取り扱いは会社によって異なります。
Q買取なら費用はかかりませんか?
仲介手数料はかかりませんが、印紙税と、住宅ローンが残っていれば抵当権抹消の費用はかかります。
Q解体費用の補助金はありますか?
多くの市町村が独自の補助要綱を持っています。国が全国一律の制度を持っているわけではないので、お住まいの市町村の窓口でご確認ください。
仲介で売った場合と、買取に出した場合。手数料を引いた手取りまで並べて確認できます。
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