住宅ローンが残っていても家は売れます。売買代金で残債を完済して抵当権を抹消するのが基本。
公開 2026年8月25日/最終更新 2026年9月3日
住宅ローンが残っていても売れます。売買代金で残債を完済し、抵当権の登記を抹消したうえで、買主に所有権を移す。これが基本の形です。手続きは決済日にまとめて行います。
分かれ目は、売値が残債に届くかどうか。届く場合(アンダーローン)は通常の売却と変わりません。届かない場合(オーバーローン)は、不足分を自己資金で埋めるか、金融機関の同意を得て任意売却に進むかになります。
完済しても、抵当権の登記は自動では消えません。登記の抹消は別の申請です。
やることは1つ。残債務証明書(またはローン残高証明書)の金額と、査定額を並べます。
| 状態 | 進め方 | |
|---|---|---|
| 査定額 > 残債 | アンダーローン | 通常の売却。代金で完済して抵当権抹消 |
| 査定額 < 残債 | オーバーローン | 不足分を自己資金で埋めるか、任意売却を検討 |
残高の調べ方は2つ。金融機関から毎年届く残高証明書(住宅ローン控除の申告に使うもの)を見るか、ネットバンキングで確認します。
査定額は、イエクラベのAI査定で仲介と買取の2つを出せます。オーバーローンかどうかの判定では、低いほうの数字(買取)でも足りるかを見ておくと、後で慌てずに済みます。
法務局は、住宅ローンの返済が終わっても抵当権の登記は自動的には抹消されない、と書いています。申請が必要です。
全国銀行協会も「完済したら抵当権の登記抹消をお早めに」と案内しています。完済済みで抹消していない家は、売却前に登記を確認してください。
出典:法務局「住宅ローン等を完済した方へ(抵当権の登記の抹消手続のご案内)」/法務省民事局「住宅ローンの返済等により不動産の抵当権を抹消するための登記申請手続について」/全国銀行協会
※決済日に残債完済・抵当権抹消・所有権移転を同時に行う流れは実務として広く行われていますが、この手順そのものを解説した国の公式資料は確認できませんでした。段取りは、媒介を担当する宅建業者と司法書士にご確認ください。
住宅金融支援機構は、返済が困難になった場合の相談先として、返済中の金融機関・機構支店・業務受託金融機関や債権回収会社を挙げています。返済方法の変更にはメニューがあり、収入等の変化を理由に申請して、機構の承認を受ける形です。
競売によらず、金融機関の同意を得て売る方法です。住宅金融支援機構は「融資住宅等の任意売却」として手続きを公表しています。
※任意売却は、金融機関ごとに扱いが異なります。金融庁が任意売却という制度そのものを解説している公的ページは確認できませんでした。「任意売却の専門家」を名乗る事業者に相談する前に、まず借入先の金融機関に直接ご相談ください。
売却で損が出た場合、給与所得などと損益通算し、控除しきれない分を翌年以後3年間繰り越せる特例があります(特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)。
主な要件
★適用期限についての注意
国税庁のタックスアンサー(No.3390・No.3370)は2026年9月時点でも「令和7年4月1日現在法令等」版のままで、「令和7年12月31日まで」と表示されています。令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月26日閣議決定)にはこの特例の適用期限を2年延長することが明記され、改正法(所得税法等の一部を改正する法律)は令和8年3月31日に成立・同日公布されました。延長後は令和9年(2027年)12月31日までの譲渡が対象になる計算です(大綱の「2年延長」から導いた値で、国税庁のページには未記載)。使う予定がある方は、最新の国税庁の記載か税務署でご確認ください。
出典:国税庁「住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき」(No.3390)/財務省「令和8年度税制改正の大綱」
売り先行 — 手取りが確定してから次を買えます。仮住まいが要ることがあります
買い先行 — 引っ越しは楽。売れるまで二重の負担が続きます
期間の目安を示す公的な統計はありません(売却の流れに書いたとおり、成約までの日数の公的統計は確認できませんでした)。買い先行を選ぶなら、売れなかったときにどうするかを先に決めておくことになります。買取の金額を先に把握しておくのが、その保険です。
2026年7月に成約した中古戸建ての平均築年数は、愛知県 22.24年、三重県 34.78年、岐阜県 32.67年でした。
築20〜35年は、住宅ローンの残債が残っている年代と重なります。同じ月に成約した中古戸建ての平均価格は、三重県が1,416万円、岐阜県が1,374万円。愛知県の2,773万円の半分程度です。残債に届くかどうかの見極めは、この2県でより効いてきます。
イエクラベのAI査定は、仲介と買取の2つの金額と、それぞれの手取りを匿名のまま出します。残高証明書の数字と並べれば、アンダーローンかオーバーローンかがその場で分かります。
当社は宅地建物取引業者ではありません。売買の媒介または代理は、当社の提携する宅地建物取引業者が行います。ローンの取り扱いは借入先の金融機関に、税額の判断は税務署または税理士にご確認ください。
Q住宅ローンが残っていても売れますか?
売れます。売買代金で残債を完済し、抵当権を抹消したうえで買主に引き渡すのが一般的です。代金で足りないときは、不足分を自己資金で埋めるか、金融機関の同意を得て任意売却を検討することになります。
Q抵当権の抹消にいくらかかりますか?
登録免許税は不動産1個につき1,000円です(対象が20個以上のときは申請1件につき2万円)。司法書士に依頼するなら、その報酬はこれとは別です。司法書士報酬に統一の料金表はありません。
Q滞納してしまっています。まだ間に合いますか?
まず借入先の金融機関にご相談ください。住宅金融支援機構は返済方法の変更メニューを公表しており、任意売却の手続きも定めています。選択肢が多いのは、競売に進む前です。
Qペアローンや連帯債務の場合はどうなりますか?
名義人全員の同意が要件です。取り扱いは金融機関ごとに違うため、借入先に直接ご確認ください。
仲介で売った場合と、買取に出した場合。手数料を引いた手取りまで並べて確認できます。
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